皆さん、こんにちは。 enishの公文です。
朝夕はだいぶん過ごしやすい気温となり、秋の気配を感じる今日このごろですが、正式リリース日からもう3週間が経過したのですね。日々ゲームの運営に必死で、とても短い時間に感じます。
しかし、その間もプレイヤーの皆さんは結構な時間をラスメモで過ごし、多くのフィードバックをくださっています。これらはすべて、不具合対応や仕様の調整・改善の参考になっています。ありがとうございます。
そんな中、熱心にゲームを遊んでくださっている複数のギルドの方から特にトークノミクスの現状と今後についてのご指摘・ご提案をいただき、昨日(9月5日)に打ち合わせを行いました。
その打ち合わせの中で指摘いただいた課題の多くは、まさにこれから対応していかなければならないと考えていたものでした。その場で回答させていただいた内容を整理し、結論を出せなかったものなどはあらためて検討しました。それら現状の認識と今後について考えていることを「Play to Earnの現状と今後について」と銘打って、本レターにまとめました。
純粋なモバイル・PCゲームとしてプレイしてくださっている皆さんには、馴染のない単語なども多々でてくるかもしれないのですが、ゲームの未来に関わる重要な話になりますのでぜひご一読ください。
はじめに
まず、大前提として、ブロックチェーンゲームとして考えた場合ラスメモは、不完全な状態にあります。
理由は、本タイトルのガバナンス・ユーティリティトークンである$GEEKがまだ外部の暗号資産取引所に上場していないからです。$GEEKが上場するまでは、$GEEK自体の取引が行えず、つまり「Earn」の部分が実現できません。
上場の日程については、近日中にご案内できる予定ですので、もう少しだけお待ちください。
現状のエコノミーの課題認識
私達の課題認識としては、大きく2つです。
- xGEEK排出量のバランス
- ランドエコノミーのバランス
それぞれについて、具体的な内容とどう考え、どう対応するつもりかという点についてお話をします。
xGEEK排出量のバランス
本タイトルでは、xGEEKの排出量については、ゲーム内で排出できる上限を設定する運用を行っています。上限は、ビルドモード・調査隊とランドダンジョンの2つに分けて管理しています。
GEEK BOXの排出残量表示 (左上)
排出上限額の設定基準は「そのxGEEKが$GEEKに交換された際に、アロケーションプランから逆算して$GEEKが枯渇しない範囲」になります。
そして、現状の課題は、$GEEKが非上場のため$GEEKの価格が不定、つまり、上記の「枯渇しない範囲」が定義できないことにあります。結果、運営側としては、リスクを抑えた排出量に留めるという選択しか取れません。
具体的な金額等はお話できないですが、$GEEKの上場時の価格はできるだけお求めやすい金額(FDV規模)を目指しているため控えめな設定になる可能性が高いです。
現状の上限設定は、その価格近辺でも成立する排出量で設定している状態です。当初の設計との比較で考えると「全く足りない・非常に少ない状態」にあると言えます。
ランドエコノミーのバランス
2つめのエコノミーの課題は、ランドダンジョンのエコノミーのバランスです。こちらについては、ステーキング報酬、ランドダンジョン報酬についてそれぞれの課題をお話します。
ステーキング報酬の課題
一言でいうと「このままで本当に回収可能なのか?」になります。
具体的な課題のお話をする前に、あらためて、ステーキング報酬の基本構造について、これまで未公開だった情報を含めて、公開の上ご説明します。
ランドランク/Lvごとのステーキング報酬倍率 (初公開)
ランドごとの日々のステーキング報酬は基準値(BランクのLv1のランドの報酬額)を基準にして、何倍に相当するかという計算で作られています。基準値は、ステーキング日数が経過すると共に少しずつ下がっていきますので、きちんとランドLvを上昇させていれば、収入はどんどん伸びていく構造になっています。
一方で、ランドのLvアップはランドダンジョンや施設に依存しており、下記の式で設定されています(初公開)。
獲得できるランド経験値 = ランドダンジョンLv*2 + 施設Lvの合計
Lvごとの必要ランド経験値 = 0.1792 * ランドLv^1.7 + 1.4176
少しややこしい式に見えますが、計算機やexcelなどにいれて計算してみていただけると、どのLvにするのに、ダンジョンと施設のLvをどのくらいあげればいいのかが分かります。
ランドはランクによって保有している施設の総量が違うので、結果、ランクごとのLv上限は下記のようになります。
そして、ステーキング報酬の獲得イメージを総合すると下記のようになります。
- ランドLvがあがるほど伸びがどんどん大きくなる
- より高いランクのランドほど最大Lvまで到達するのに時間がかかる、つまり、報酬が伸びつづける期間が長い
ステーキング報酬の獲得量のイメージ
ここまでの情報を共通認識とした上で、あらためて課題というか、お寄せいただいている声としては「本当に報酬がのびるのか信用できない」というところになります。特に、高ランクのランドを購入されたオーナーさんの不安が大きいと認識しています。
実際、初期は低めに設定されているため、この後本当に伸びるのかという気持ちになるのは当然だと思います。
こちらについては「設計上は上記の通りです」以上のご説明ができない面もありますが、報酬体系の見直しの余地があると感じている部分もあるので、後ほど、後述のランドダンジョンの課題解決と合わせてお話させてください。
ランドダンジョン報酬の課題1: ランドダンジョンの稼働率の低さ
ランドダンジョンの課題は非常にシンプルで「ランドダンジョンの稼働率の低さ」にあります。こちらも、より高ランクのランドはダンジョンのプレイ上限回数も多いため、枠が残ってしまうと残念な気持ちになるのはとてもよく理解できます。
よくお問い合わせいただく内容としては「より高ランクのランドにもっと集客を寄せるべきだ」というご意見です。現状でもランダム表示枠の中ではかなり寄せ気味に作っています。一方で、ID検索やお気に入り機能があることで、ランダム表示枠での表示優遇などとは関係なくプレイされるケースも一定量あることも事実です。
ここで一旦、印象の話はおいておいて、データに基づいた私達の考える問題の本質のお話したいと思います。
ランドダンジョンの稼働率が低い最大の原因は、ランドダンジョンのプレイ率の低さと、一人当たり平均プレイ回数の低さにあります。
ランドダンジョンプレイ率 = ランドダンジョンのプレイ回数 / 1日のラスメモプレイ人数
一人当たり平均プレイ回数 = ランドダンジョンのプレイ回数 / 1回でもプレイした人数
昨日までのデータ集計結果を見ると、ランドダンジョンのプレイ率は約25%、一人当たり平均プレイ回数は1.5回(平均5回プレイ可能)です。おなくじ1日5回プレイできるアリーナについては、一人当たり平均が4.9回ほどプレイされています。
もう少し深堀りしてみると、ランドダンジョンのBOX残高はすべて消化されていることから、
- earnできる範囲ではプレイされている
- earnできなくなったら、P2E勢もプレイしなくなる
- F2P勢は最初からプレイ意欲が低い
ということが分かりました。
つまり、ざっくりですが、プレイ率が50%、平均3回プレイされるようになるだけで現状の4倍の稼働が見込める状況です。逆にいうと、ここの問題を解決しないことには、ランドダンジョンの稼働率アップは見込めないということになります。
ランドダンジョン報酬の課題2: ステーキング報酬とのバランス
2つ目の課題は、ステーキング報酬と絡み合った課題です。
上述の通り、ランドのLvは、ランドダンジョンのLvと施設のLvにより決定されますがここで一つのジレンマが発生します。
- ランドダンジョンはLvが高いほど報酬が良い = 集客しやすい
- ランドダンジョンはLvが上がるのにかかる時間が施設よりも長い
ランドダンジョン収益を伸ばしたかったらランドダンジョンLvを上げるべきだが、ランドダンジョンLvを優先するとランドLvがあがるの遅くなる、つまりステーキング報酬の伸びが遅くなる。
こちらも高ランクのランドほどジレンマが大きく、本来は、高ランクのランドでは複数の施設を保有していることで、かかる時間の短い施設を順番にLvアップすることで、ランドのLvを早く上げることができるのが利点ですが、そうするとランドダンジョンLvの上昇が遅れ、ダンジョンの集客力が弱くなってしまいます。
となると、高ランクのランドの利点が活かせない状況になってしまいます。
ランドダンジョン報酬の課題3: シェア率の設定
3つ目の課題は、シェア率の設定についてです。
ランドダンジョンでは、シェア率(オーナーの手数料)を設定できますが、上述のランドの稼働率が十分でない状況下では、シェア率を下げる競争になってしまいます。せっかく先行投資をしてランドを手に入れたのに、楽しいオーナー体験とはかけ離れているさもしい気持ちになってしまうというご意見をいただいています。
課題解決に向けて
他にもいろいろな課題はありますが、現時点では重要度の高い課題がこれらxGEEKの排出量のバランスとランドエコノミーのバランスに集約されていると考えており、対策を検討しました。
ランド施設の並行育成を可能に
「ランドダンジョンと施設のLvのジレンマ」に対する対策です。 ランドダンジョンと各施設は独立してLvアップを可能にする変更を行います。
施設の同時Lvアップは1種類までという制限は今まで通りですが、それとは完全に独立してランドダンジョンのLvアップを可能にします。ジレンマを解消しつつ、ランドのLv自体は今までよりも早く上がるようになるため、合わせてステーキング報酬の増加ペースもあがり、ステーキング報酬に対する不安も少しでも和らげることができるのではないかと考えています。
提供予定時期:
少し開発が必要なので、ver. 1.7以降になる予定です。
ランド施設の育成時間の調整
「ステーキング報酬に対する不安」に対する対策です。 各施設の建設にかかる時間を、それなりに(半分近くを検討中)短くします。 こちらも、ランドLvの上昇速度、ステーキング報酬の増加ペースが上がります。
提供予定時期:
ver. 1.7.1目標
ランドコイン交換所の開設
「ランドダンジョンの稼働率」をあげるための施策です。 9/6(金)のver. 1.6.1より導入された「ランドコイン」を使ったアイテムの交換所です。
ランドコインは、ランドダンジョンをプレイした際にドロップする希少な資源(ランドコインの欠片)から交換できます。ランドダンジョン交換所では、普段のプレイでは入手難易度の高い貴重・希少なアイテム群が並んでいます。同日に追加された「王の復活」のプレイに必要な専用の地図もこの交換所でしか入手ができません。
ランドコイン交換所ができたことで、ランドダンジョンをプレイする重要度がより高くなり、プレイ率および平均プレイ回数が増加することを期待しています。
また、ランドコインは、ランドオーナーであれば、自分のランドダンジョンを招待券でプレイしてもらった場合、そのプレイヤーがGEEKBOXの残高がない場合(P2Eできない場合)に1回につき1枚獲得できます。
つまり、招待券を広く配布することで、ランドコインをより多く稼ぐことができます。
一方で、今までBOX残高がなかったのでランドダンジョンの招待券を受け取るのを遠慮していた人も、気遣いをしないでプレイできるようになります。
提供予定時期:
ver. 1.6.1 (提供済み)
ステーキング報酬とランドダンジョン報酬のリバランス
「ステーキング報酬の不安」「ランドダンジョンの稼働率」に対する対策です。
ランドコイン交換所の提供に合わせて、ランドダンジョンの稼働率の一定の向上はできると考えています。ただ、効果が絶対ではない以上、並行して複数の対策を行う必要があります。
これは、結構悩んだのですが、ランドオーナーにおける報酬のバランスをよりステーキング報酬側に寄せる方向のリバランスを行います。
具体的には、下記の調整を行います。
- ステーキング報酬の基準値を上昇させる (ステーキング報酬額を増やす)
- ランドダンジョンの最大プレイ回数および、招待券の配布可能数を減少させる
ダンジョンでプレイされるか分からなかった報酬部分をよりステーキング報酬側に移動させることで、全体としてはいままでよりもランド関連の収入が安定寄りになります。
提供予定時期:
ver. 1.7.1目標
$GEEKの上場とそれによってできること
最後は総合的なお話となります。
冒頭に書いた通り、現状は$GEEK価格が不定の状態を前提とした、リスクを最小限に抑えたxGEEKの排出量でサービスを行っています。ここからは、$GEEKが上場し、$GEEKの価格が一定以上の水準に上がっていった場合にできることをお伝えします。
- xGEEK排出量の増量
全体の排出量自体を増加でき、より「稼げるゲーム」の方に舵切りができます。
排出量が増やせれば、在庫が残っている時間が長くなり、ランドダンジョンのプレイ回数も増加するでしょうし、そうなれば、ランドダンジョンのプレイ回数の上限の緩和なども検討できるようになります。
- 刻印BOXの排出量の増量
刻印BOXについても抑えめの設定にしていますが、排出量の緩和が可能になります。
- ランドステーキング報酬の増量
排出可能なxGEEK量が増えた場合は、合わせてランドステーキング報酬の増量も検討できるようになります。
というように$GEEKが上場し、価格が上昇すれば本来の設計に基づいて運営側としてもよりP2E体験を強化する方向に動けます。同時に、エアドロップの価値も同時に向上していくので良いことずくめです。
$GEEK価格の上昇については、市場まかせではなく、ゲーム内での課金売上の一部を価格の安定化・上昇に利用することも合わせて行いたいと考えています。
以上、いわゆるトークノミクスにまつわるご説明でした。長文にお付き合いありがとうございました。長くラスメモを楽しんでいただくことがなによりなので、皆さんのご意見も伺いつつ、柔軟に運営をしていきたいと考えています。
ご意見がありましたらぜひお寄せください(個別の返信は難しいですが、すべて目を通しています)
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ぜひ今後ともラスメモをよろしくお願いします!
エグゼクティブ・プロデューサー
公文善之
皆さん、こんにちは。enishの大谷です。 いつもラスメモを遊んでくださってありがとうございます。
かねてから「近々リスティング実施します!」とお伝えをしていたのですが、事情により、リスティング日について再調整を行っています。(現時点で想定よりも遅くなっている状態です)
事情については改めてお話できればと思いますが、ユーザーの皆さんにとってはより利便性が高まるお話であると認識しています。
日付が確定したらお知らせしますので、もうしばらくお待ち下さい。
どうぞよろしくお願いします。
マーケティング・アライアンス担当
大谷 恭仁